肌色。





「アンタ、もう少し手加減する気はないのかい?」

真夜中の午前零時。
甘美な時間を終えた後、シーツにくるまったネルが言った。

「おいおい。俺はこれでも十分優しくしたつもりだぜ。」

そのすぐ横でクリフはネルの髪を撫でながら笑顔で言う。

「アンタはそのつもりかもしれないけどさ・・・
私にとっては結構キツイものがあるんだよ。」

「イヤか?」

「別に・・・イヤじゃないけどさ。」

頬を少し赤く染めながらクリフに背を向けて言う。

「はっは〜ん。お前、年取ったな。」

さっきまで優しく撫でていたネルの髪をくしゃくしゃにしてクリフは言った。

「その言葉だけはアンタに言われたくなかったね。」

ツンとした口調で言葉を返す。

「俺はいつまでも若いぜ。」

へっへっへ。とでも笑うかの様な顔でクリフは言った。

完全防音を施されたこの部屋に
二人の声以外の音は無い。
カーテンの隙間から入ってくる街の灯りが
二人の肌色を違う色に染めていた。

「アンタがそう言うとホントにそんな気がして怖いよ・・・
あぁ、私は年をとったのかな。」

ため息を小さく一つつく。

「そんなことねーぜ。お前はちっとも変わらず美人のままだぜ。
ま、性格は少し丸くなったがな。」

頭を掻きながらクリフはネルにそう言う。

「私は、いつまでも年取らないわけじゃないんだよ・・・」

ネルはくるりと身をかえし、クリフの方を見た。
彼女の顔に感傷的な表情がゆらりと浮かんでいた。

「たとえ年を取ったって美人は美人のままなんだよ。
それに、お前が年を取ったって俺の気持ちは変わんねーよ。
・・・愛してるぜ。」

クリフはいつもの無駄に自信のあふれた顔で言う。

「・・・馬鹿。」

(おっと、すべっちまったか。)

「でも・・・」

「あん?」

「嬉しいよ。」

笑顔を浮かべてネルはそう言い、クリフの胸に抱きつく。

「お前から抱きついてくるなんてな。
明日、雪でも降るんあじゃねーか?」

そう言いながらもクリフはネルを優しく抱き返す。

「たまにもいいじゃないか・・・」

ボソッと呟いたネルの顔は赤い。

「そうだな。よし!今日はお前からそうきたんだ、
寝かせねーぜ?」

「って、ちょっ・・・」

ネルが何かを言おうとしたがクリフの唇によって
それは軽く塞がれた。
真夜中のキス。

「アンタ、明日も仕事じゃないのかい?」

「そんなもん明日になってから考える。」

「・・・・・・・ハァ。」

どうかなりそうな熱い夜は続く。








おしまい






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あとがき

たまにも爽やか(?)にいってみました。
クリフが馬鹿みたい。