Queen for you





「やあ、リーダー・・・いやマリア・・・えっと、我慢しなくてもいいんだよ、
僕の胸で思いっきり泣いても・・・いや、違うな・・・」

 ここは戦艦ディプロ。
リーダーであるマリア・トレイターは自室に閉じこもっている。
部屋に入るときの彼女はどこか沈んでいたという。
・・・部屋からはカリカリと何か書(描)いている様な音が聞こえるが・・・

 さて、その部屋の前には我らのリーダー(女王)が大好きで大好きで
どうしようもない男、自称「早撃ちのリーベル」がウロウロしている。

「入るべきか・・・入らざるべきか・・・」

「やあ、リーベルじゃないか!何してるんだい?」

 そこには、黒いオーラをまとった、リーベルのヤキモチの対象、
フェイトが居た。

「ゲッ!お前はフェイト!いつからそこに!」

「たしか、”今日こそキメるぞ!”あたりからかな。だいたい一時間位
前だよ。」

「それ一番最初じゃないかよ!」

「まーね。おもしろいからずっと聞かせてもらったよ。
そうか、君もマリア狙いだったのか・・・」

「君もって・・・やはりお前もリーダーを!!」

 リーベルが顔を真っ赤に染め、拳をプルプルさせている。
そこへ、マリアが部屋から出てきた。

「あなた達何やってるの?ウルサイから他でやってくれないかしら。」

「す、すいませんリーダー!!」

 リーベルが慌てて謝る。完璧に上司と部下の関係だ。
それに比べフェイトは、

「ごめんよマリア。リーベルと今後について話していたんだ。
うるさくしてホントごめんよ。マリアもリーダーとしての仕事が
大変だと思うけどがんばってね。」

 親しげにフェイトが言う。

「気にしなくてもいいのよ。あなたも大変なんでしょ?」

「あの、リーダー・・・」

「それじゃフェイトもがんばってね。」

ウイーン。バタン。

 ドアが閉まると同時にフェイトがリーベルに向けて、ものすごく
イヤな笑いをうかべる。

「くっ、くそ!俺はまだ「マリアさん」とすら呼んだこともないのに、
お、お前は呼び捨てだと!」

「そうだね。君にはそんな根性なんてないから一生呼び捨てなんて
出来ないだろうね。」

「・・・おのれ〜・・・ま、まあいい。ここじゃなんだから、俺の部屋で
続きをやろうじゃないか・・・」

「もちろん、かまわないよ。」

 リーベルはこんなヤツを部屋には入れたくないが、客人用の個室
にはネルが居るので、仕方なくフェイトを自分の部屋まで招き入れる。


「さあ、ここなら邪魔は入らない。さっきの続きといこうじゃないか。」

「ああ。それにしてもさっきのお前、たしかマリアに無視されてたよね。
みじめだよリーベル。無視だよ無視。アウト・オブ・眼中なんだよ。
お前は、マリアにとってただの都合のいい部下なんだよ。」

(うぜ〜)

「お、お前はリーダーとは2日や3日の付き合いしかないだろ!
お前はリーダーの何を知ってるっていうんだよ!!」

 ムキになってリーベルは言う。
それなりの間、マリアの部下をやってる彼にとっては「マリアと共に
居る時間の多さ」。これしかフェイトに勝るところがない。

「そうだな〜。出会った二時間後にはマリアの過去について話して
くれたし、あとは、寝顔が可愛かったな〜」

「な、何いいいいいい!!!寝顔だと〜〜〜!」

「まあね。まるで天使みたいな寝顔だったな〜。夜中こっそり
通信機のカメラで撮っておいたから後でプリントアウトしよっと。」

「お前〜〜!!後で一枚よこせよな!!!俺だってまだ盗聴しか
した事が無いのに・・・」

犯罪です!ストーカーです。

「あ、それから・・・」

「なにっ!!まだあるのか!!」

 リーベルより一枚も二枚も上手なフェイトにすでにリーベルは
飲み込まれていた。もはや彼に勝ち目は無い。
・・・って何の勝負だよ!

「マリアのシャワーシーン・・・」

 フェイトがこの言葉を発した瞬間リーベルのテンションは最高潮に
達してしまった。

「きっ、貴様〜!!!!よくも俺のマリアをそんな目で!!!
シャワーシーンだけは俺のもんだああああ!!!」

意味不明ですよ。

 リーベルはフェイトの胸倉をつかんで言い放つ!
彼の唾がフェイトの顔にかかっているが、気にしない。

「ハハハ、残念だけどカメラには撮ってないんだ。僕の記憶の
中にしまってあるだけだよ。ま、リーベルには一生拝むことなんて
出来ないだろうけどね。」

「チッ・・・なんかお前だけが見ていて俺が見てねーってのが気にくわない
な。」

 そういう問題か!?のぞきだろそれ。

「そうそう、それから・・・」

「何だよ?まだ何かあんのかよ?」

 リーベルは少しの期待を込めて言う。

「これは、マリアの使用済みのリップクリーム。僕の宝物さ。
お前にはあげられないよ。」

 この瞬間、リーベルは勝ちを確信した。

「ハッハッハ!それだけかよ!!俺の勝ちだな!!!」

 リーベルは立ち上がり大きく笑いそう言う。
そして、机の引き出しをガバッと開けた。
そこには、リーベルのコレクションが奇麗に納められていた。
 コレクションとは・・・

{マリア使用済みリップクリーム(20本)}
{マリア使用済みナイフ&フォーク(3セット)}
{マリア使用済みペン(6本)}
・・・etc(怖くて書けません)があった。

「ハハハ!どうだ?まいったか!!」

 リーベルは高い笑い声をあげ、勝ち誇ったように言う。
・・・だから何の勝負?

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「どうした?何か言ってみたらどうだ?」

「・・・・・・・お前って変態サン?」

「お前に言われたかねえ!!!」

どちらも変態サンです。(良い子は真似しないでね)

「とりあえずわかったよリーベル。
おまえのマリアへ対する想いはこの宇宙より大きいってコトを。
でも、僕のマリアは譲れないけどさ。」

「ああ。こっちも俺のマリアはお前になんか絶対に譲れないけどな。」

言ってなさい。

「とりあえず、僕はそろそろ時間だから行くよ。」

 フェイトは立ち上がりドアを開ける。

ドアを開けると、

そこには、

ネルが居た。

「あ、あれ?ネルさん・・・いつからそこに?」

「そうだねえ、”リーダーの何を知ってるんだよ”あたりからかねえ
おもしろい話をしてたから聞かせてもらったよ。」

「そ、それじゃあ・・・」

「あんた達にそんな趣味があるとは思わなかったよ。さて、どうしようか、
あの子に言うかねえ。」

「じょ、冗談ですよ。・・・ハハ、ハハハ。」

「ところで、私の寝顔はどうだったかい?」

「とても綺麗でしたよ。30枚ほど写させていただきました・・・」






ズベシッ!X100





「うるさいわね〜!もっと静かに出来ないの!ってネルじゃない?
どうしたの?リーベルの部屋なんかで。」

「ああ、ちょっとね。」

 そこには、死体寸前のフェイトと何故か気絶しているリーベルが
転がっていた。










終わり


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