第6章 春の木漏れ日





「ここがクロス洞窟か。」

「クロードみたいにジメジメしてて気持ち悪いわね。」

「ホントですわね。」

 とりあえずクロード達はセリーヌさんに強引にクロス洞窟まで連れて
こられていた。
 それで、このクロードの様にジメジメした洞窟をクロードを盾にしなが
らレナと、セリーヌさんと・・・えっとクロードはなんとか宝物がある部屋
まで辿り着いた。

「やっと着きましたわね。」

「ええ。大変でしたね。」

「僕が一番たいへんだったわい!」

「まあ、クロードさんたら、顔が腫れ上がって誰かわかりませんわよ。」

「もともと見れない顔がさらにひどくなってるわね。」

「お前らのせいだろ!」

 クロードを無視してレナとセリーヌさんは宝箱をあさっていた。
中からはバナナの皮や首の無いリカちゃん人形やクロードの好きな
大人向けの本や半分飲んであるペットボトルが出てきた。

「ロクなものが無いな。」

「って何でその本をこっそり持ち帰ろうとするのよ!」

「それより、クロード、レナちゃん。見てくださいの。なんだか古文書らし
きものがありましたわよ。」

 セリーヌさんはどこから見つけたのか、やたらとカビ臭い一冊の国語
辞典くらいの厚さのある本を見つけた。

「ホントですね。何が書いてあるんですか?」

パラパラ

「読めませんわ。・・・私、古典の成績が5段階中1しかないですから。」

「そうですか・・・僕も古典の成績は1でした。レナは文字すら読めないけ
どさ。」

「失礼ね!その通りよ!」

 クロードとレナとセリーヌさんは洞窟から出ようとすると、その辺にあった
ガーゴイルの石像の目が光だした。

「うわっ!いまその石像の目が光ったぞ!」

「だから?」

「わかってるわよ。うるさいわね。」

 クロードたちがそんなこと言ってる間に変な顔のガーゴイルが「キー」という
知能指数零のような奇声を発して3人に襲い掛かってきた。
ちなみにガーゴイルは2体。

「グハッ!」

「大変よ!ケニーが殺されたわ!」

「ケダモノ!」

「僕はまだ死んでないから!」

 そして、ガーゴイル達は二撃目をなんとなく加えようとしていた。

「くそ!こうなったら父さんが父さんの尻尾の生えた友達に教えてもらって
それで、小さいころ僕が寝る前に聞かされる武勇伝に出てくるあの技を使っ
て僕はレナを守る!」

「クロード・・・」

「いくぞ双破斬!」

 クロードは村長の家からパクッたロングソードを上下に振り回しガーゴイル
にダメージを与えようとするがクロードは弱いためカウンターを食らってしまった。

「ぐはっ!」

「クロード!弱すぎるから無理しないで!」

「くそ!まだまだいくぞ!双破ざ・・・」

七星双破斬

ブシャブシャズキューん!

 クロードが再び双破斬を撃とうとしたが、その前にレナが手刀でガーゴイルを
上下に斬り裂いたあとついでに出てきた衝撃波でガーゴイルを跡形も無く消し
去った。

「クロード大丈夫?別に死んでもいいけど。弱いんだから無理しないで」

「・・・ああ、ごめん。(何故奥義を・・・)」

「キャー。」

「「セリーヌさん(忘れてました)」」

 セリーヌさんはガーゴイルに襲われていた。

「今助けます!よし、母さんから教わった必殺技で!流星しょ・・・」

裏桜花炸光

バンバンバンバンドカーン

 クロードがへない流星掌を繰り出そうとしたが、またレナがその間に入り
ガーゴイルを四発殴って最後に蹴りを一発ぶちかました(約0,03秒)それで
ガーゴイルは消え去った。

「アホーの糞蟲どもが何人束になってきても結果は同じなのよ。」

「・・・・・・・(母さんの奥義まで)」

 クロードはレナを見ると腕からちょっとだけ血が出てた。

「レナ・・・血が出てるよ。」

 クロードはバンダナを外しレナの傷口に当てようとする。

「そんな汚いバンダナで何するのよ!バイキンが入るじゃない!バイキンは
ともかくクロード菌が入るでしょ!」

バキッ

「ぐああああ」

 レナの一撃でクロードは死んだ。

「クロードが死んでしまいましたわ!」

「そうですね。べつにいんじゃないですか。」

「そうですわね。」

 クロードの死体を引きずってレナとセリーヌさんは出口まで昨日のTVの
話題に花を咲かせながら洞窟の外まで出て行った。

「結局ソーサリーグローブの事は何もわかりませんでしたね。」

「ソーサリーグローブでしたらクリクという港町からエル大陸に渡られると
よろしくてよ。」

「じゃ、案内してください。」

 そんなわけでセリーヌさんも行くことになった。
クロードは宿で一泊すると生き返ってた。









___クリク

「へーここがクリクの町ですか。」

「ええそうですわ。クロードはまだ死んでてもよろしかったのに。」

「そうよ。それよりもその汚いバンダナを捨てなさい。」

「そうですわよ。一緒にいるこっちの身にもなってほしいものですわね
はずかしくってしょうがないですわ。」

「あんたの格好の方がよっぽど恥ずかしいわ!」

 それでクロード達は船でエル大陸へ渡ろうとしたが船長が「しましまとらの
しまじろうが終わるまで出航出来ない」というわけで、しまじろうが終わるまで
町をブラブラすることにした。
 レナとセリーヌさんはたこ焼きを食べに行き、クロードは一人で町をブラブラ
することにした。

「ふー暇だなー。」

「ねえ兄ちゃん。ちょっとお小遣いちょうだいよ。」

「?」

 クロードの前には8歳くらいのちびっ子ギャングが2人いた。

「ねえ、ちょっと裏まで来てよ。」

 そう言われたクロードは「やれやれ、仕方ないな。ま、相手は子供なんだし
適当に軽く注意してやるか」と思いながら路地裏までついてくことにした。


20分後


「ちょろいよねこの兄ちゃん。財布には36フォルしか入ってないけど。」

「しけてるよね。」

「・・・・か・・・え・・・せ・・・」

「うるさいなあ。」

バキッ

「グハッ!」

 そこには子供相手に剣を抜き本気で戦ったのにボロボロ
にされたクロードの残骸があった。



「ところでクロードは何してるのかしら?」

「趣味の悪いバンダナでも選んでるんじゃないですの?」

「そうですね。」

 このとき、青のりを歯につけたレナとセリーヌさんはクロードが8歳の子供
二人にボロ雑巾にされていたことも、これから起こる災いも、災害保険に入って
いないことも知らなかった。






つづく〜





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