Embryo type・・・







 雪がしんしんと降り積もる、アーリグリフ。
空には月も無く、ただ白い雪を降らせているだけ。
 特に、ここに用があるわけでは無かったが、ただなんとなくここに
来ていた変態集団の一行は、ここの宿で一泊していくことになった。

 夕食を終えたネルはクリフに”後で話があるから俺の部屋へ来い”と
言われていたため、クリフの部屋へと向かっていた。
 お気に入りのあずき色をしたジャージに着替えたネルの足音が、この
冷たい廊下に静かに響いていた。

 クリフの部屋に辿り着き、軽く部屋をノックして中へと入る。
 部屋の中には、小さなランプの灯りが一つだけ灯してあり、ベッドに腰
を掛けたクリフの姿が見える。

「で、あたしに話ってのは何なんだい?」

 ネルが、クリフの前に置いてある椅子に座り言う。

「ああ。お前に言っておかなきゃいけねぇことがある。」

 クリフは真剣な眼差しでネルを見つめ言う。
珍しくも、時折見せるクリフのその、表情にネルは心臓をドキリとさせら
れる。

「それで、なんなのさ?」

「アレが無くなった。」

 クリフが表情を崩さずに言う。
彼の真剣さが灯りに灯され、空気からでさえ伝わる。

「アレ?」

「ああ・・・昨日ので最後だったんだ。」

 ゆっくりと静かにクリフが答えを言った。








































”避妊具が・・・”

























 さっきまでの緊迫した空気は、不愉快な音を立てて崩れ、この新しい
空気の中を、熱帯魚がゆらゆらと泳いでいた。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・あっそう。」

 ネルがクリフから視線を外し、斜め上を見て言う。

「”あっそう”ってお前、そっけねぇな〜。それだけかよ?」

 クリフが表情を崩し、いつもの平和な時の顔になった。

「無くなったって・・・そんなの薬局に売っているんじゃないのかい?」

 そう言いながら、少し顔を赤らめるネル。

「それがな〜。無ぇんだよ。俺のサイズに合うヤツが・・・」

 クリフが腕を組み、何故か自信満々のような顔で言う。

「・・・で、でも、アレは伸びるもんじゃないのかい?」

「まあ、そうだけどよ。キツくて立つもんも立たねえんだよ。」

「じゃあ、何だい・・・あんたのは、なんていうか・・・その・・・特別大きいと?

 ネルの顔は、彼女の髪の色と同じくらい赤くなり、最後の方は小声になる。

「ん〜まあ、そういうことだ。」

 今まで、ネルは自分が何かとても恐ろしいモノを受け入れてきたことへ
対して、戦慄が背筋を光速のスピードで貫き、体が床に倒れそうになった。

「おい、大丈夫か?」

 すかさずクリフが、倒れそうになるネルの体を両手で支える。

「・・・ああ、なんとかね。・・・で、どうするんだい?」

「そうだな。じゃあ、生でヤるか?俺はコントールすることが出来るし、変な
病気も持っちゃいねえぜ。それに、今まで生で何回かしたしな☆」

 まぶしい笑顔でそう言うクリフにネルはますます力を無くす。

「・・・遠慮しておくよ。」

「そうか・・・。それじゃ、行くぞ。」

「行くって、何処へだい?」

「決まってんだろ?ファクトリーだよ。今から作りに行くぞ。」

 嘘だろう?・・・そう思いたかった。
しかし、クリフに強引に連れて行かれた。










 宿の玄関から、雪が降り積もる外へと出る。
外は、体の芯から凍えそうになるほど寒い。

「しっかし、寒びいな。凍え死にそうだぜ。」

「ほんとにね。」

「お前のマフラー、半分俺に貸してくれ。」

 本当に寒そうなクリフに”しょうがないね”とでも言うような顔をして、
ネルがクリフの太い首へと余っている部分のマフラーをかけてやる。

「サンキュ。」

 クリフはそう言って、ネルの肩へと手をまわす。

「な!!!」

「別にいいじゃねえか。今は夜で、誰も見ちゃいねえんだ。」

 月の癒しさえ無い夜。
マフラーの暖かさよりも、互いが側に居れば、それで充分暖かかった。
寒くなんてなかった。










 で、ファクトリー。

「よっしゃ!気合入れてパパっと作るか!」

 無駄に元気で、無駄に気合の入ったクリフを、かなり呆れた顔をしている
ネルが見ている。


 30分後

「え〜と・・・。おい、ネル。」

「ん、どうかしたかい?」

 ソファーに座り、退屈そうに少女漫画を読んでいたネルが、本から目を離し
クリフのほうを見やる。

「味って、何味だっけか?」

「あ、味?」

 ネルの顔がまた、見ていて面白いくらいに赤くなる。

「ああ。味だ。」

「味って言われても・・・その、しょっぱいというか・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「な、何だい?」

「そっちの味じゃねえよ。避妊具の味だ。イチゴ味とかメロン味とかコーラ味
とかあるじゃねえか。・・・しっかし、お前おもしれえな。ははは。」

「そんなの何味だっていいだろ!!だいたい味なんて必要あるのかい!!?」

「それもそうだな。」

 ははは、と笑うクリフの頭を目掛けて、ネルは力一杯少女漫画を投げつけた。



 更に30分後。

「よし!出来たぜ。これで、当分は持つだろうな。」

「あーよかったね。それじゃ、とっとと帰るよ。」

 クリフの無邪気に喜ぶ姿を見て、もう呆れ果ててしまったネルは、本を本棚に
戻してさっさと宿へと帰ろうとする。何故、クリフが避妊具の作りかたなんて知っ
ているかはもう、どうだってよかった。

「まあ、待てよ。せっかく作ったんだし、早速使わねえとな。」

 クリフはそう言って、ネルの背に密着し、前に手を伸ばして抱きしめる。
ネルにはこの後、彼がとるであろう行動と、自分がどうなってしまうかということ
も容易に想像出来てしまった。
 一応、抵抗はしてみるものの、やはり彼の力には適うはずもなく、そのまま
ソファーへと押し倒されてしまった。
 相手がクリフであるから、心では嫌だとは思ってはいないが、無理矢理こんな
ことを、こんな場所でされるのには抵抗があった。


 で、また30分後。

「愛してるぜ・・・」

 クリフはそう囁いて、吐息を漏らすネルの頬に軽く唇を当てた。
それから、二人は服を着て、ファクトリーを出ようとしたとき、急にネルが立
ち止まり、驚愕な顔をしてファクトリーの隅っこを指差した。

「・・・あ、あそこ・・・」

「ん?どうした?」

 ネルが指差す場所を見てみる。
そこはとても薄暗いファクトリーの片隅。
そこには、大きなメガネを掛け、サラサラなプラチナヘアーをした、小さな
少年がいた。

「まさか、見られていたっていうのか、今までの・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「で・・・・誰だっけアイツ。」

「・・・たしか、クリエイターの・・・」

 その根暗な性格と、小さな体のせいで、誰からも忘れられていた人物。
執筆クリエイターのミシェルがそこにずっと居た。

「君達。人が見ている前で生殖行為をするのは非常識だと思うけどね。まあ、
君達の場合、生殖行為というよりは、性欲を鎮めるための行為。もしくは、愛情
という一つの感情を高め合う行為と言ったほうが正しいかな。でも、まあ、君達
のおかげでいいネタが浮かんだので一応、感謝はしておくよ。」

「この魔瀬餓鬼が!!だいたい、何の本を書いてやがる!!!」

 この狭いファクトリーにその声が虚しく響いた。
それ以上に、食べ物を与えてもらえず、干からびてしまったバニラの残骸が床
に転がっていたことを、誰も気づかなかった。









おわれ




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ちょっとあとがき
すいません・・・。下ネタ爆発しまくりです(汗)下品極まりなく・・・。
タイトルがヤバイので意味は調べないで下さい〜。
天然のネルをからかうクリフなパターンも好きですわ〜い!!!
不真面目に入れようとしましたが、中途半端なギャグで、クリネル色が強すぎるので、こちらに。
しかし・・・なんなんでしょうかね〜クリフサイズ。こえ〜(汗・笑)
所詮、私の脳みそはこんなもの。